第41章 手段を選ばないやり方じゃ、彼女が長谷川栞に勝てるわけがない

「大丈夫よ。ほんのちょっとだけなら、健康に響かないって……」

中尾美希は危うく表情が崩れそうになり、手近にあったクッキーの袋を掴んだ。

中野蓮がいちばん好きな『くま』クッキー。小動物の形がいろいろ入っているやつだ。

どれもこれも、彼女が輸入スーパーで「破格の値段」を払って買ってきたものだった。レジで会計したとき、胸がきゅっと痛んだくらい。

自分のためには、こんな贅沢しないのに。なのに中野蓮は、まったく乗ってこない。

「蓮、じゃあ……ほんの少しだけ、ね」

中尾美希はクッキーを差し出し、わざとらしく手にできた火傷の水ぶくれまで見せた。

「ありがとう、美希おばさん。ぼく……」

蓮だ...

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